煮玉子の話
煮玉子を作った。
昨日の晩から「煮玉子食べたい…煮玉子食べたくない?」となって頭の中が煮玉子モードだった。
煮玉子というのは一見作るのが面倒そうに見えるが実際作ってみると手順自体はわりと簡単だけど結局考えることの多いややこしい料理だ。
まずそもそものゆでたまごの時点で難易度が異常に高い。
ゆで時間は何分?水からゆでるのか?沸騰してから?水の量は?卵を常温に戻す?冷たいまま?
例えば菜っ葉だったら沸騰してからとか根菜は水からみたいなセオリーがあるけど
卵はこの辺りがネットやレシピ本、人によって言ってることが全然違う。
単純に卵を茹でる、ただそれだけなのに何も作り方がレシピとして確立されていないのだ。
その上、ゆで時間もわずかにずれるだけで固ゆでのボソボソ卵、半熟すぎるゆるゆる卵になってしまうほど繊細だ。頑張って茹で上げたとしても最後のハードル、殻剥きがある。ここでうまく剥けないとせっかくの卵がボロボロジャリジャリ肌になってしまう。
これまでの人生、納得のいくゆでたまごを茹でられたことが何回あるだろうか。多分数えるくらいしかない気がする。
そんなこんなで、今日も恐る恐る卵を茹でた。水から茹でて沸騰してからさらに5分、
今回はかろうじてうまく半熟になった。次までこの作り方を覚えているか怪しいけど。
殻を向いてさめないうちに醤油+みりん+ポン酢のジップロックにぶち込んだ。
煮玉子とかチャーシューの一番厄介なところは食べたいと思って作っても
最低丸一日は待たないといけないところだ。
すぐには食べられないので嫌が応にも頭の中を煮玉子に支配されるはめになる。
おかげで今日は頭の片隅から煮玉子の単語が頭から離れなかった。
そして今日もクソのような仕事の山を片付けて帰ってきた。
一晩たった煮玉子は半熟で、昨日食べたかった煮玉子だった。
クソのような仕事に追われる特筆することのない無味乾燥な毎日だけど結局食べたいものを食べたいときに食べられてたらそれで充分なのかもしれない。そんなことを思った。
あと卵がまだ余ってるので明日の晩御飯は卵かけご飯にしようと思いました
おわり